遠い山に雪

生活における瑣末なことあれこれを書きます

読後感が最悪で最高

真梨幸子『さっちゃんは、なぜ死んだのか?』を読んだ。真梨さんの作品を読むのは初めてだったけれど、イヤミス(嫌な気持ちになるミステリー)で有名な作家さんらしい。私は誰も救われない物語が好きなので、この作品はしっかり後味が悪くてとても良かった。読後感が最悪で最高。「さっちゃん」に見事に騙された。この人の作品は何も知らずに読むのが一番楽しめると思うのでこれ以上は書かないけれど、イヤミスが好きなら一度読んでみてほしい。最近で一番集中して読書できた。

 

読書歴約25年でやっと文芸誌に辿り着いた。幼い頃はフィクションの世界だけが楽しくて他の人がどう思うかには一切興味がなかったけれど、最近は私の世界に存在するものたちに対して他人がどう思っているのかを知るのが好き。その点で文芸誌では作家のインタビューで作品への思いが知れたり、書評や座談会が掲載されているので他人がどう作品を楽しんだのかを知ることができて面白い。図書館で短歌の雑誌も借りたので読んでみようと思う。

趣味のなかでも「他人の作品を見たい」趣味と「他人が何を作るのかは興味がない」趣味があることに最近気付いた。写真やエッセイは前者で短歌や小説は後者。前者は「上手くなりたい趣味」で後者は「思うままに好きなものを作りたい趣味」である。でも最近は後者の趣味に対しても他の人の考えを知るのもいいかも、と思えるようになった。私の世界に"他"が増えていく。こうして社会性を学んでいくのかもしれない。

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ゴンチャで溜めていた手帳を書いた。Twitterも存分に使って日頃から思考を残しているけれど、Twitterだとやっぱり見返すのには向いていないのでこの半年くらいはアナログで日記をつけている。大体はその日したことを書いていて、考えたことや読んだもののログも書く。日記をつけ始めた頃はシールやマステでデコを楽しんでいたけれど、最近は"続ける"ことに特化していてペン一本でひたすら文字を書いている。マーカーを使ったイラストを描けるようになると画面が華やかになるかも、と思ってマーカーイラストの動画を見て勉強している。もっと手帳を活用して日々を効率的に生きたいなと思ってYouTubeやインスタで他の人の手帳の使い方を見漁ったりもする。これも他者の作品を見たい趣味かも…?

写真に映っているのは仕事用のサニー手帳。業務委託と個人の仕事があるのでスケジュールを書き出しており、固定されているスケジュールと変動的に使える時間を可視化している。こうして日々手帳を使っていると、思考をアウトプットして脳の外に保存しておくのはとても有用だなと感じる。ずっと脳で覚えておくには脳のメモリを使いすぎで疲れてしまうし、かといってパッとすぐにスケジュールを確認したい時もあるので、こうしていつでも見返せる場所に書いておくとだいぶ脳が楽になる感覚があるな〜。もっと手帳を活用したい(二回目)。

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ちなみに手書きの効用についてはこんな研究報告があります。

https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/files/20210319sakaikunisobun01.pdf